6　恋人たち

エデンの園に暮らす二人の男女が描かれ、光り輝く天使が二人を祝福しています。 男性の背には生命の木がありこの木の実を食べると永遠の命が 与えられます。女性の背には知恵の木の実があり蛇が巻きついています。 そして、遠くに見える山は赤茶けていて、アダムを造る原材料となった 赤土を思わせます。

エデンに暮らす二人は裸であることが恥ずかしいとは思っていません。 二人は自分と外界との区別があいまいで、幼子のような精神状態にあるからです。 このことから、このカードは友情にも近い無垢な愛を表していると思えます。

創世記ではアダムとエバが知恵の木の実を食べ善悪を知り エデンを追放されます。神が知恵の木の実を食べたか尋ねると、 アダムはエバに木の実をもらったが自分は食べていないと言い、 またエバは蛇に木の実を勧められたが自分は食べていないと言います。 二人は、善悪を知り罪悪の意識を持ったことで、 自分の行いを他人のせいし、嘘をついてしまったのです。

エデンを追放された二人は、死にゆく存在となります。 天使のまとっている布は紫色をしています。 紫は中性的な存在や最上位を表す色であると同時に、死を表す色でもあります。 エデンに暮らしていた時人は死をもちませんでしたが、 私たちは死にゆく存在であるからこそ、命を輝かせることができると思います。

このカードは、家族・友人・恋人など心を許せる愛情を表しています。
逆位置の場合は、身近な人に本心を見せられない状態や惰性的な状態、または偽りを表しています。

無垢な愛情・本心をさらけ出せる存在・恋愛・心が通じ合う・正しい選択・美しさ・魅力

誘惑・相手のせいにする・嘘をついてしまう・他人の目を気にしすぎる・好色にふけってしまう・計略的になる・損得で考えてしまう